生徒さんが詩吟の全国大会で優勝&入賞しました!

生徒さんが全国大会で優勝&入賞!
令和8年9月12日に、虎ノ門・ニッショーホールで開催された「第32回 全国優秀吟者吟道大会」(公益社団法人 日本詩吟学院主催)の独吟漢詩の部において、弊教室の生徒さん二名が、優勝と努力賞(4位)を受賞しました。
声が小さいのが悩みで始めた詩吟
ここで優勝されたKさん(40代・会社員)について、ちょっとご紹介します。
彼女が詩吟を始めたのは約7年前で30代の頃。職場で声が小さいということが気になって検索していたら、たまたま見つけた拙著『大声のすすめ。』に出会い、弊教室へ。
詩吟の存在は、大学合格のお祝いの席でおばあちゃんが吟じてくれた、陶潜(陶淵明)作「勧学」(「歳月は人を待たず」というお馴染みの一節が出てくる漢詩です)で何となく知っていた、という程度で完全なる初心者さんでした。
最初のうちは声がなかなか大きくなりませんでしたが、努力研鑽を重ね、みるみるうちに急成長。とにかくたくさんの舞台に立ち、着物も着て、詩吟にどハマり。昇段試験も順調に進み、今では奥伝位で名前に「風」がついています。
大舞台で伴奏なし、マイクなし
本大会の主催である日本詩吟学院は、全国規模の大きな団体なのですが、こちらのコンクールが他の流派や団体のコンクールと決定的に違うやり方をしております。
それは、なんと、
「伴奏が全くない」
「スタンドマイクがない」
というところです。マイクなしと言っても、遠くに集音マイクは設置されています。が、スタンドのダイレクトマイクのように大幅に拡張はしてくれません。
しかも、会場は客席数1,000人規模の大ホール。ここで一人で立って吟ずるのです。これはもうはっきり言ってどうかしてます。
この大ホールでマイクなしで吟じるに当たって、大切なことは何か。
「大きく響く声」
だと、私は思っています。
「大きな声を出せばいいってもんじゃない」ってよく言われたり、聞いたりしますが、確かにその通りです。しかし、まず声が大きく、響いて伝わる声でないと、このような大きな会場で聴いている人々に届きません。
それで何が言いたいかと言うと、優勝&入賞したこの二人の声の大きさがすごいんです。とんでもない迫力なんです。ゴジラが来たのかなって感じです。
自然の驚異とでも言いましょうか……。彼らの横で一緒に吟じると、自分の声が聞こえなくなって、何とも言えぬ浮遊感と多幸感さえ感じます。
ベストセラー『声に出して読みたい日本語』に、詩吟に関して、こう書いてあります。
「実際の詩吟を聴いてみると、窓もふるえる迫力がある。声が空気の振動だと言うことがびっくりするくらい実感できる。魂が揺さぶられるような力がある。自分の身体を腹から背骨を通って振動させ、声の響きを通して空間全体を振動で満たすというのは、なんとも気持ちのいいことである。身体と空間が響きにおいてつながる経験は、宗教的体験の原型だ。」
ーー”魂が揺さぶられるような力”ーー
著者・齋藤孝先生がまさに言い当てていらっしゃいます。「魂が揺さぶられるような力」を声によって発揮することができる。それが詩吟の面白いところです。
諦めずに緊張を克服するという凄さ
さて、詩吟の舞台では、さらに巨大な壁があります。
それは……、
「ド緊張する」
ということです。
普通に人前で話すだけでもドキドキしますよね。それが大きな舞台で一人ポツネンと立っていると、「寄る方なし」って感じで緊張が半端なく襲ってくるんです。足がガクガク震えてきて、とてもまともに歌えたもんじゃないです。
私なんか、その現実に目を背けて何とかなるだろうとぼんやりしていたら全然ダメで、自分が悪いのに落ち込んで他人や他の物事のせいにしてほっぽり出して諦めちゃうんです。
そのような中、この二人が、着実に経験を自分のものとして、不安や緊張を克服して、自分の力を発揮して堂々と吟じてきた。それが本当にすごいな〜って思っています。
声が小さかったKさんがゴジラ級の声が出るようになった。時間を無駄にせず、今を大切にして努力に励む彼女の姿は、まさに「歳月は人を待たず」。生徒さんの頑張りからとてもたくさんのことを学ばせてもらっています。
足ガクガクでもやめられませんね、詩吟は。
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