【試聴】桜の季節に吟じたい詩吟「ひさかたの」
2021.03.06
桜の花咲く季節に吟じたい、百人一首でも有名な「ひさかたの」で始まる詩吟「桜の花の散るをよめる」をご紹介します。
「桜の花の散るをよめる」紀友則
ひさかたの
光のどけき春の日に
静心(しづごごろ)なく
花の散るらん
光のどけき春の日に
静心(しづごごろ)なく
花の散るらん
意味
日の光がのどかな春の日に、桜の花はどうして落ちついた心がなく散っているのだろう。
「桜の花の散るをよめる」について
平安時代の歌人、紀友則(850〜904)の和歌です。『古今和歌集』に選出されたこの詩ですが、残念ながら完成前に紀友則は亡くなってしまいました。
『古今和歌集』には、何かを何かに例える「見立て」というテクニックを用いた詩がたくさんあります。桜の花の散るのを落ちついた心がなく、と詠んだのは、桜の花に作者の心を見立てたのでしょうか。
桜を見てどう感じるか、毎年楽しみになる詩です。
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