【試聴】歌手がうたって有名な詩吟「白虎隊」

2020.12.12

白虎隊といえば、藤山一郎が歌った「白虎隊(詩吟入り)」が有名です。そんな白虎隊で引用されている詩吟をご紹介します。

「白虎隊」(詩吟のみ)

南 鶴ヶ城を望めば 
砲煙(ほうえん)あがる

痛哭(つうこく)涙を飲んで
且(か)つ彷徨(ほうこう)す

宗社(そうしゃ)亡びぬ
我が事(こと)畢(お)わる

十有九人(じゅうゆうくにん)
腹を屠(ほふ)って僵(たお)る

意味

南の方、鶴ヶ城を望めば、放火につつまれた黒煙が立ち上がっている。さては落城、我らの希望も消え失せたかと、一同声をあげて泣き、涙を吞み、あたりを彷徨うしかなかった。ああ、我が藩もこれで亡びたのだ、我らのつとめもこれまでと、十九人の少年は、皆腹をかき切って、たおれたのであった。

「白虎隊」について

明治時代の漢学者・佐原盛純(さわら もりずみ、1835-1908)による、漢詩「白虎隊」の一番盛り上がる2行です。

上の詩吟は、私が詩吟の教本で習ったものですので、歌謡曲の「白虎隊(詩吟入り)」とは吟じ方、読み下しが違う部分がありますが、ご容赦ください。

さて、「白虎隊(詩吟入り)」は、美空ひばり、島津亜矢、氷川きよしなど大物歌手たちがカバーしているので、彼らの貴重な詩吟を聞くことができます。詩吟の部分はそれぞれ違った味わいがあり、素晴らしいです。

ぜひ聴き比べてみてはいかがでしょうか(CDや動画などで探すことができます)。

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