詩吟がうまくなるには〜大声のすすめ編

2021.04.13

大きな声を出すには?

詩吟を習っている方もそうでない方も、「なかなか思うように声が出ない」と発声方法に悩まれている方は多いと思います。

では、どうやったら気持ち良く、大きな声が出せるようになるでしょうか? 

声を出すことの難しさ

私はこれまで、多くの詩吟未経験の方に指導させていただきました。そこで感じたのは、まず声を出すことの難しさでした。

慣れてくれば、詩吟をやっているだけで、どんどん声は出るようになっていきます。しかし、ほとんどの方が、日常生活で大声を出すことがありません。

そこで、「どうやったら詩吟で使える地声(=きちんと相手に届く声)が、簡単に、自然に、気持ち良く出せるか」を研究&実践してきました。

大声を出しやすくするコツ

大きな声を出す発声のコツは、二つあります。【1】からだをリラックスさせ「ちくわ」になり、【2】「おーーーい」と遠くの人に呼びかけることです。

「ちくわ」になる方法

①ちくわのようにやわらかく全身の力を抜き、かつ体を真っ直ぐにする。

②両肩を耳に近づけて、グーーッと力を入れる⇒息を吐きながら「ハーーッ」と両肩を落として力を抜く。

③顔を天井に向けて、口を大きく開き、喉を開く。体の中にちくわのような空洞をイメージし、気道を確保する。

「おーーーい」のやり方

①遠くの人を呼び止めるつもりで、想像上の相手に手を振り向けながら、「おーーーい」と叫ぶ。

この方法で、ほとんどの方が簡単に大きな声が出せるようになります。

大声のすすめ。和の発声法と伝わる話し方

上記の「大声を出しやすくするコツ」を詳しく掲載しているのが、拙著『大声のすすめ。』です。他にも、

声を出しやすくする「体操」
お腹から声が出る「腹式呼吸法」
言葉を伝えやすくする「姿勢」「目線」「言葉の使い方」

などなど・・・声を出しやすくするコツをイラスト付きで多数紹介しています。

「詩吟がもっと上手になりたい!」「全くの初心者に詩吟を教えたい」という方にもオススメです。

大声のすすめ。』の目次を以下にご紹介します。

はじめに

第1章:なぜ、居酒屋でビールが頼めないのか

■大きな声は必要ない?
・居酒屋でビールが頼めない人
・大きな声が出せない
・声を出す機会がない
・声が大きければいいもんじゃない

■大きな声が出ない理由
・こもる/通らない/かすれる/息苦しくなる/むせる/喉が痛くなる
・からだが硬くなっている
・自分の声が嫌いな人

■なぜ大きな声は必要なのか
・大きな声が発揮する六つの効果
・コミュニケーションが円滑になる
・自信がつく
・ストレス解消になる
・元気になる
・老化予防になる
・誤嚥を防ぐ

■大きな声を出す一番簡単な方法
・まずは「ちくわ」になる
・大きな声が出せればOK

■大きな声を出すのは技術
・喉の力はいらない
・絶対に誰でもできる

コラム1:大声はどこで出せるのかーーおすすめの大声スポット

第2章:大きな声を出す四つのステップ

1からだをほぐそう
・準備体操
・アゴを動かす
・ハミング

2丹田呼吸法
・腹式呼吸法
・風船呼吸法
・ストロー呼吸法

3腹から声を出す方法
・四股を踏む
・丹田充実法

4姿勢・目線・ちくわ
・姿勢を簡単に正す方法
・目線の方にしか声は飛ばない
・簡単に「ちくわ」になる方法

■やってしまいがちな三つのNGポイント
・アゴが前に出る
・からだをゆらす
・「ドカン」になる

コラム2:吹き矢でお腹から声が出る!ーー楽しみながらトレーニング

第3章:日本語の美しい伝え方

■「通る声」の出し方
・口を縦のままアエイオウ
・母音に変換して読む
・長音・連母音・連子音

■「伝わる声」の出し方
・無声音を意識する
・情感を伝える「子音」を大切に
・鼻濁音
・「ん」の口は閉じる
・言葉に対するイメージ通り話す

■説得力のある話し方
・どこでフレーズを切るか
・抑揚をつける方法
・「間を空ける」技術

コラム3:喉にいい飲み物は?ーーおすすめドリンク

第4章:声を出す極意

■地声を出す方法
・振り向かせ発声法「すいませーん」
・何を言うか明確に意識する

■高い声(低い声)がでない場合
・手を使って声を流すと喉の力みがとれる
・手で声の高さのポジションをとる
・ちょっぴり鼻にかける

■集中力を高める
・一点集中法
・イスのポーズ
・立木のポーズ

■くり返し声を出す
・うまくなくていい、場数さえ踏めばできる
・声を出すことで鍛えられる、特別なトレーニングは一切不要

■大声が出ると緊張しない
・声が出ないのは酸素不足
・大きな声を出すとリラックスする

■酸素不足をクリアにする方法
・口を開く
・ミラーリング
・吸う息の音をたてない

■耳を鍛える方法
・最も大切なのは聞く力、自分で判断する力
・お風呂発声法
・ボイスレコーダーのすすめ
・音痴の治し方

第5章:ここまできたら詩吟にも挑戦

■詩吟とは何か?
・詩吟は誰にでもできる
・詩吟は歌ではなく、声・言葉・話す力を鍛える習い事
・詩吟の基礎構成(素読+母音+節回し)
・まずは素読をしてみよう
・母音をのばしてみよう
・ゆらしの基本
・節のつけ方の基本
・なぜ、詩吟は大きな声がでるのか
・母音は感情を吐き出す
・一日たった一分半でできる健康法

コラム5:詩吟はどこで習えるのか?

おわりにーー「大きな声」で自信と健康を取り戻そう!

リンク

・『大声のすすめ。~和の発声法で伝わる話し方

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