【試聴】梅の季節に吟じたい詩吟「寒梅」

2021.02.10

梅の咲く季節に吟じたい、穏やかな気持ちにさせてくれる詩吟「寒梅」をご紹介します。

「寒梅」新島襄

庭上(ていじょう)の一(いち)寒梅
笑って風雪(ふうせつ)を
侵(おか)して開く
争はず また力(つと)めず
自ずから百花(ひゃっか)の
魁(さきがけ)を占(し)む

通釈

庭の木々にまじって一株の梅の木がある。その梅の花は冬の厳しい風や、或いは霜や雪に笑って耐えしのんだ後、はじめてこのような美しい花を咲かせるのである。別に他のものと争うわけでもなく、そうかといって力むわけでもない。それでいてこの花は、自然に他の花々の先がけをするのである。

「寒梅」について

幕末〜明治に活躍した教育者、同志社大学の創始者でもある、新島襄(1843-1890)の五言絶句の漢詩です。

江戸時代に密航者として渡米し、「少年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士の初・日本人学生となった彼。まさに、時代のさきがけを行っていたのでした。

梅の季節になると吟じたくなるこの詩。「寒いけど、力まずがんばろう!」という気持ちになれます。

ぜひ、吟じてみてください。

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