小学校へ子ども詩吟教室のお手伝いに行ってきました
先日、母校の小学校へ、子ども詩吟教室のお手伝いに行ってきました。
6年生12名と、ちくわになって石川丈山の漢詩「富士山」を吟じました。
声の出し方だけでなく、詩吟の意味や歴史的背景や大切さもしっかり伝えてきました。
小学生の伝統文化子ども教室
私の母であり詩吟の師匠が、国分寺市の伝統文化子ども教室の事業に参加していて、毎年この時期に、小学6年生の子どもたちに2時間、詩吟を体験してもらうというプログラムをやっています。
伝統文化のプログラムは他にも、お琴や日本舞踊や書道、生花などがあるそうで、その中から選択して授業を受けられるのですが、詩吟は最も人気がない一つだそうです。
ですよね……(苦笑)。だって他の伝統文化はどこかで見たり、知識として知ってたりはしますけど、詩吟はあまり知られていないし、聞く機会もほとんどありません。
まず、姿勢を正して大きな声を出す
詩吟とは何ぞや?という解説をする前に、「詩吟知ってるかな?」と聞いてみます。
すると、なんと、事前に詩吟についてインターネットで調べてきているとのこと!すごい!事前調べから、体験のまとめ、質問、感想まで含めてこのプログラムのようです。素晴らしい。
でも詩吟をリアルに聞いたことがある人は一人もいません。そこで早速、生の詩吟を聞いてもらいます。
「こんな大きな声出していいの!?」ザワザワ……
「今日はいいんです!」
詩吟は、大きな声を出して、声と心を鍛える道。武道や書道のように「吟道」とも言います。と解説。
早速、みんなで大きな声を出しましょうー!
姿勢を整え、目線はまっすぐ前、カラダはちくわのように力を抜いて、まずはウォーミングアップ。「アイウエエオアオ…」の滑舌法や早口言葉で声を出すことに慣れていきます。
いよいよ詩吟。今回は、江戸時代の書家、石川丈山の漢詩「富士山」を吟じます。詩の内容をホワイトボードに描いて解説。そして素読。
姿勢を整え、目線はまっすぐ前、カラダはちくわ…
こうして何回も反復練習。最後はグループに分かれて詩吟の発表をやりました。
詩吟をやって良かったことは?
最後に質問タイム。子どもたちが事前に用意してくれた質問をしてくれました。
①なぜ詩吟を始めたのか?
②詩吟を教えるとき、やるときに気をつけていることは?
③詩吟をやっていて良かったことは?
師匠の回答が大変素直で、
①全然興味がなかったけど友達に誘われて
②地声でお腹から声を出す
③文学や歴史の知識が増えたこと、生徒さんやこうして子どもたちなど、たくさんの人と出会えること
わかりやすく、子どもたちの心に通じていたようでした。
私は子どもたちにウケるかなーと思って、
「詩吟をやるとモテるんだよ〜」
「江戸時代に久坂玄瑞っていうイケメンがいて詩吟も上手くて、吟じてると京都の女子たちが集まってきて、鴨川の水も止まって詩吟を聞いたんだって」
と言ってみたところ、あんまりピンときていない様子でした。こういう話はもうちょっと上の世代がいいですよね。
今回は急遽、母の手伝いだったので、準備をする間もなかったのですが、終わってから、海外に行った時に詩吟を披露して喜ばれた話をすればよかったなーと思いました。
2020年から小学生の英語の学習が必修科目になったそうです。ネットのおかげで海外も身近になって、将来、国際的な活動を視野に入れている子どもも多いんじゃないでしょうか。
海外の人とコミュニケーションする時に、自国の伝統文化を表現できることはとってもかっこいいことなんだ、中でも詩吟は身一つでできるから便利だし、海外の人たちもそれぞれ古い音楽を持っていて、みんな歌えるんだよ。それは自分の国を大切にしているということにもなるし、お互いのことを知れてとてもいいことなんだよ、ということを、今後は伝えていきたいと思います。
最後に、これだけは伝えたい、ということは話してきました。
みんなのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんの……おじいちゃんもみんな詩吟をやってて、昔の人の作った詩を大きな声に出して吟じて元気をつけて、大変な世の中を乗り越えてきたんだよ、と。
楽しかった、もっとやりたい
少々お説教くさくなってしまいましたが、さすが小学6年生。しっかり話を聞いてくれたし、みんな真面目に姿勢を正して、大きな声を出し、楽しそうに詩吟を吟じてくれました。
さて、今回のお手伝いがとっても楽しかったので、もっとこのような子どもたちに伝統文化を伝える活動を積極的にやっていきたいと思っています。ナチュラル詩吟教室で、寺子屋式の子ども教室(実演&実践)を始めたり、渋谷区の小学校やお祭りなどでも活動をしていきたいです。
夢は、渋谷区民フェスティバルの野外ステージや、神社のお祭りで、子どもたちの詩吟の発表をすることです。