吟詠「泊天草洋」全国大会に参加してきました!

2018.11.11

「泊天草洋」全国大会とは

2017年12月16-17日と、吟詠「泊天草洋」全国大会に出場しに、熊本の天草まで生徒さんたちと行ってきました。

この大会は、詩吟で有名な「べんせいしゅくしゅく〜」の作者・頼山陽が天草を詠んだ漢詩「天草洋に泊す」だけを吟じるコンクールで、全国から出吟者が集います。

私はこの詩が大好きで、拙著『詩吟女子』でも紹介しています(付録CDに収録)。そんな「天草洋に泊す」をまさに「天草」の地で吟じられるということは夢でした。

詩に詠まれた場所に行って吟じる」というのは、詩吟の醍醐味の一つです。詩が作られてから何百年経ってもできる、というのも魅力です。

大魚(イルカ)をみる

ここから旅のレポートです。熊本空港からレンタカーで3時間、天草の海岸をひた走ります。ひろ〜い水平線と空と雲、いくつもの離れ小島を目の当たりにし、「天草洋に泊す」の詩の一節がうかびます。

雲か山か 呉(ご)か越(えつ)か

(あれは雲だろうか山だろうか。はたまたは呉の国か、越の国か)

水天(すいてん)髣髴(ほうふつ) 青一髪(せいいっぱつ)

(空と海が一つにとけあって青く霞み、 一本の髪の毛のように見える)

まさしくこの景色!詩とイメージがピタリと一致し、声が出ないくらい感動します(一番上の写真)。そして、天草といえばイルカです。詩の一節にもこうあります。

瞥見(べっけん)す 大魚(たいぎょ)の波間(はかん)に跳るを

(一瞬、大魚の波間にはねる姿がちらりと見えた)

“大魚”とは、まさしくイルカのことです。というわけで、高波にあおられながら実際にイルカウォッチングをしつつ、船の上で「天草洋に泊す」を大合唱してきました。

本番当日

明朝、いよいよ大会当日です。朝8時に会場である「志岐集会所」で受付。名前からして古い公民館かと思ったら、モダンな建築のオシャレ演劇ホール。客席が迫り上がっていて緊張します。生徒さんたちは男女5人組で合吟の部に出吟。優秀賞をいただきました!

会場ロビーには、町の農家さんや和菓子屋さんが出店していて、地元のオリーブ茶やあおさの羊羹を試食させていただきました。あまりに美味しいので、たくさんおみやげに買い込んでしまいました。

1日目は、頼山陽公園にも立ち寄りました。ここには立派な 「天草洋に泊す」の歌碑があり、ボタンを押すと大会優勝者の詩吟が流れてきます。そして「あまくさ温泉ホテル」に宿泊。温泉につかり、夕食にはあわび、ステーキ、海鮮など豪勢にいただきました。

大会終了後は、町役場の方に富岡城に連れて行っていただき、案内までしていただきました。帰り道には修復中の熊本城を拝見。こんな感じで、楽しい詩吟の旅は幕を閉じたのでした。

天草・苓北町が主催

とっても楽しかったので、教室のみなさんにおすすめしたところ、次の年の2018年には、生徒さん2人が参加してきてくれました。長崎空港経由でレンタカーごとフェリーで天草入り、というルートが快適だったそうです。関東方面から向かう方はこのルートがおすすめです。

我々の時はたまたまなかったのですが、前夜祭にも参加されました。町の漁師さんや農家さん、有名な陶芸家さんなどが集まり、地元・天草のとれたての肉や魚をその場でさばいて振る舞ってもらったそうです。美味しそう〜〜(上記写真)。

この大会は、地元の天草の苓北町が主催です。コンクールの賞がたくさんあり、副賞に地元のお米や野菜もあり、とってもいい雰囲気でした。

苓北町の町長さんや役場の方々、熊本の詩吟の先生方など、たくさんの方に親切にしていただきました。本当にありがとうございました!!また参加したいです!!