“国破れて山河在り”の詩吟「春望」

2014.10.06
  • 生徒さんたちによる男女混声合吟です。

「春望」杜甫

国破れて山河(さんが)在り
城(しろ)春にして草木(そうもく)深し

時に感じては花にも涙を濺(そそぎ)ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす

烽火(ほうか)三月(さんげつ)に連なり
家書(かしょ)万金(ばんきん)に抵(あた)る

白頭(はくとう)掻(か)けば更に短く
渾(すべ)て簪(しん)に勝(た)へざらんと欲す

通釈

国の都の長安は戦争で破壊されてしまったが、山や河は昔のままである。
町にも春が来て、草木は深く生い茂っている。
このような戦乱の時世を思えば、花を見ても涙が落ちる。
家族との別れを悲しんでは、鳥の鳴き声を聞いても心が痛む。
戦乱ののろし火は、もう何ヶ月も続いていて、家族からの手紙は万金にも値するほど貴重である。
白髪頭を掻けば髪は更に薄くなって、簪(かんざし)も挿せなくなりそうだ。

***

“国破れて山河在り”で始まる、杜甫(712-770)の最も有名な漢詩「春望」。

現在では小学校の教科書にのっているという話しも聞いたことがあります。

吟じてみると、対比による調子がよく、名文の凄みを身体の内側から感じることができます。

なぜかすぐ暗記できてしまうので、一度は吟じてみたい詩吟です。