【試聴】お正月に吟じたい詩吟「宝船」

2020.12.23

お正月といえば、初日の出と七福神の乗った宝船。そんな「宝船」を吟じた詩吟をご紹介します。

「宝船」藤野君山

寿海(じゅかい)波平らかにして 
紅旭(こうきょく)鮮やかなり

遙かに看(み)る宝字(ほうじ)
錦帆(きんぱん)のかかるを

同乗(どうじょう)の七福(しちふく)
皆(みな)笑(わらい)を含む

知る是(こ)れ 金銀(きんぎん)
珠玉(しゅぎょく)の船

意味

正月のおめでたい海の波は穏やかで、真っ赤な初日の出が鮮やかだ。遥か彼方から、宝の字が書かかれた錦の帆を掲げた船がやってくる。 船には七福神が乗っており、皆笑みを浮かべている。御存じの通り、これが金銀財宝をのせた「宝船」である。

「宝船」について

明治期に太政官を務めた文人教育者、藤野君山(くんざん、1863-1943)による七言絶句の漢詩です。

「寿海」「紅旭」「錦帆」「七福」など、おめでたい言葉が散りばめられていて、とにかくハッピーなこの詩。

「七福神は金銀財宝を積んで、みんな笑っています」という内容をイメージすると、自然と笑顔になり、元気が湧いてきます。

コロナで大変だった2020年。少しでも明るい気持ちになれるものが欲しいですね。2021年は良い年になるよう願いを込めて、この詩を吟じてみてはいかがでしょうか。

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