詩吟の吟じ方
詩吟を「吟じる」ってどういう意味?普通の歌とは何が違うの?ここでは詩吟の吟じ方や吟じ方のスタイルについて解説します。
「吟じる」とは?
「吟じる」とは「詩歌に節をつけて歌うこと」を言います(かつて、詩を声に出しながら詩作していたので、詩を作ること自体を「詩を吟じる」という言い方もしました)。
詩吟の吟じ方
詩吟の吟じ方は、普通の歌の歌い方とは少々異なります。詩吟の成り立ちがそもそも素読(朗読)であったことから、詩吟では言葉そのものを重視するので「セリフ+歌」のような発声法で行います。
普通の歌では、言葉一音一音にメロディをつけることが多いのですが、詩吟では、臍下丹田(へその下、心身の力の源が集まる)に力を込め、役者のセリフのように腹からの力強い発声で言葉を言い放ち、その言葉の語尾の母音を長く伸ばし、ゆらしたり節を回して歌のように響かせます。
歌と詩吟の比較
例)
歌:「さーいーたーー、さーいーたーー」
詩吟:「さいた〜あ〜〜あああ〜ああ〜、さいた〜〜あ〜ああああ〜〜」
(※注:詩吟で「チューリップ」は吟じませんが、わかりやすくするために引用しました)
詩吟の発声法
このように、詩吟の発声法は大きく2通りあります。
腹の底から響くような発声法と、声をゆらしたりまわしたりする発声法です。それぞれ言葉の部分と余韻の部分で使い分けます。
異なる対照的な声色を瞬時に折りまぜることによって、一つの吟の中で幅広い発声表現を行います。
吟じ方のスタイル
詩吟の基本は無伴奏で、一人で吟じる独唱スタイルです。これを「独吟」といいます。
基本一人で歌うため、初心者でも、プロの歌手でなくても、主役になれるのが、詩吟の醍醐味です。
また、人と合わせなくていいので、リズムやタイミング、声の伸ばし方ゆらし方など自由度が高く、長く深く楽しむことができます。
他には、二人以上で吟じる「合吟」、複数人で一つの詩を一行ずつ順番に吟じていく「連吟」というスタイルなどがあります。
琴や尺八の伴奏がついたり、あらかじめ作られたオーケストラの伴奏を流して吟じる場合もあります。