人前で吟じると6倍上達する
発表会などがある度に「詩吟は人前で吟じると6倍上達するんですよ」という言葉を生徒さんたちにかけてきました。これを言うとみなさん「そうですか!じゃあやってみます!」とやる気になってくれるからです。
なぜ上達するのか?
実際に上達するかいうと、発表会などの人前で吟じるとほぼ確実に上達します。なぜでしょうか?
答えは簡単です。
発表会に向けてたくさん練習するからです。
たとえ発表会本番がうまくいかなくても、その後は確実に上達されています。時には12倍や24倍の人も…。これがなんとも楽しいのですね。
発表会の打ち上げでは、生徒さんたちの間で「どうやって大声を出さなければならない詩吟の練習をしているか」という話題がのぼるそうで、
「ヒトカラ(一人カラオケ)に通ってる」
「自転車に乗りながら大声出してる」
「ドライヤーで髪の毛乾かしながら」
「クローゼットの中で」
などなど、皆さん各々工夫をこらして一生懸命練習されてるではありませんか!!すごいすごい!!そりゃ上達しちゃうよな!!と思った次第です。
なぜ6倍か?
「なんで6倍なんですか?」とよく聞かれますが、実は私もよくわからず師匠の受け売りなので「師匠の師匠のそのまた師匠が言っていたので間違いないです」とか適当なことを言ってごまかしています。
ところが、数年前の発表会の打ち上げで、ある生徒さんが突然言いました。
「先生が『人前で吟ずると6倍上達する』と言っていた謎が解けました!」
(な、な、な、なんだって!?私もよくわかってないのに!)
「それは、発表会の前になると、先生は6倍厳しくなるからです!」
一同笑いとともに「なるほど〜」と言った感嘆の声。思い当たる人多数ということでしょうか(苦笑)。私は全く自分で気付いていなかったのでドキリとしました。
人前で吟じるコツ
思い返してみると確かに発表会前は厳しくなっているかもしれません。ただ安心してください。こわくないです(笑)。
でもちょっとした発表会に向けての「人前で吟じるコツ」があります。それは、
①暗記して真っ直ぐ前を見る
②手や身体を動かさない
③人に向けて一生懸命吟じる
です。特に③を頑張れば、どんなに声が小さくても、多少思うようにできなくても、人は聞いてくれます。
もっと言うと、初心者でも、ちょっぴり下手っぴーだとしても、一生懸命、人に向けた詩吟は、人を感動させることができます。
反対に、人前なのに人に向けてない詩吟は、どんなに上手でも、感動が伝わらないことがあります。聞いてる方は何だかおいてけぼりにされてるように感じてしまうことも……。それでは、さびしいですよね!
ということで、この「人前で吟じるコツ」をどうにか発表会までにやってもらえるように、いつもより6倍スパルタになっていたのかもしれません。
人前でたくさん吟じよう
さて、上の写真は「お花見詩吟会」の時のものです。「桜+6倍上達」ということで皆さん積極的に参加してくださいました。
詩吟は舞台で、というイメージが強いかもしれません。しかし、舞台に限らず、イベントや宴会など、人前で吟じる機会をたくさんもてば、楽しめて上達もできて、いいこと尽くめです。気軽に発表できるのも、詩吟の魅力です。
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