【試聴】紅葉の季節に吟じたい詩吟「山行」

2017.10.31

秋も深まるとだんだんと葉も色づいて紅葉シーズンになりますね。真っ赤に染まる山々はそれはそれは美しいことでしょう。そんな紅葉の季節に吟じたい詩吟「山行」をご紹介します。

「山行」杜牧

遠く寒山(かんざん)に上れば 石径(せっけい)斜めなり
白雲(はくうん)生ずる処(ところ) 人家(じんか)有り
車を停(とど)めて坐(そぞろ)に愛す 楓林(ふうりん)の晩(くれ)
霜葉(そうよう)は二月の 花よりも紅(くれない)なり

意味

晩秋のさびしい山に登っていくと、石の小道が斜めに続いていて、白い雲が湧いているあたりに人家が見える。車を止めて気の向くままに夕暮れの楓の林を愛でると、霜に打たれた楓の葉は、二月の花よりももっと赤いのだ。

「山行」について

中国晩唐の詩人、杜牧(803-853)による漢詩です。紅葉シーズンになると、思いがけず目に入ったもみじがびっくりするほど赤くて、毎回驚かされます。そんなとき、この詩の最後にある「二月の花よりも紅なり」という言葉がふと口をついてでてきます。詩吟でよく吟じられる詩です。

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