【動画】詩吟「不識庵機山を撃つの図に題す」頼山陽

2021.07.28

「不識庵機山を撃つの図に題す」頼山陽

鞭聲粛々(べんせいしゅくしゅく) 
夜(よる)河(かわ)を過(わた)る

暁(あかつき)に見る 千兵(せんぺい)の
大牙(たいが)を擁(よう)するを

遺恨(いこん)なり十年(じゅうねん)
一剣(いっけん)を磨(みが)き

流星(りゅうせい) 光底(こうてい)
長蛇(ちょうだ)を逸(いっ)す

意味

馬にあてる鞭の音も立てずに、上杉勢は夜のうちにひそかに河を渡った。夜明け方、武田勢は、上杉の大軍が大将旗を押し立てて迫ってくるのを見つけた。謙信にとって残念なことは、この十年という長い年月の間、剣を磨き、その機会を待ったが、流れ星のきらめく一瞬の差で、強敵信玄を逃してしまったことだ。

「不識庵機山を撃つの図に題す」について

江戸後期の歴史家、漢詩人・頼山陽(1780-1832)による漢詩です。彼の著書で、当時ベストセラーになった歴史書『日本外史』に書かれたものです。

「不識庵」は上杉謙信、「機山」は武田信玄のこと。上杉が武田を撃ちに行く…、川中島の合戦を描いた漢詩です。

詩吟と言えば、この「べんせいしゅくしゅく」が最も有名です。詩吟をよく知らないという方でも、このフレーズは聞いたことがあるのではないでしょうか。というわけで、一度は吟じてみたい詩吟です。

基本の型で比較的やさしいので、初心者の方にもおすすめです。ぜひ吟じてみてください!

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